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金城 玉洋 氏

患者のために働くことが、私が生まれてきた使命

県立宮崎病院で心臓血管外科医として勤務する金城玉洋先生に、日常の診療、先輩医師との思い出や医療に対する思いなどについてお聞きしました。

「患者さんのために働くことが、医師としての使命。」という確固たる信念のもと、医療に取り組まれている金城先生。
終始穏やかな口調ながらも、「2次・3次の患者さんは、この病院ですべて受け入れる」と、凄味のあるお話となりました。

プロフィール
県立宮崎病院 心臓血管外科 医長 金城 玉洋 氏

県立宮崎病院 心臓血管外科 部長 金城 玉洋 氏

沖縄県生まれ、鹿児島大学医学部医学科卒業。
沖縄県立中部病院、鹿児島医療センター勤務を経て、2008年3月に県立宮崎病院に赴任。
毎年、年間200例近くの心臓・胸部大血管手術を執刀。

自らの進む道を開拓する 3人の師との出会い

金城 玉洋 氏

沖縄県立中部病院の研修医制度のもと、当時では珍しい、1年目で内科・外科・産婦人科・小児科・救急・麻酔科など全科ローテーションで研修し、2年目では外科を専攻。その頃から手技の高さには定評があり、2か月の心臓血管外科の研修において、自らを生かせる場として、外科医としてのキャリアを積んでいくことを決意。緊急性を求められる救急医療への意識ももともとあったことから、研修医時代にすでに道筋は定まっていた、と語る金城医師。

その後、師と呼べる3人の医師たちとの出会いの中で医療に対する姿勢や心臓血管手術の魅力、様々な患者さんとの交流の中で、医師としてのやり甲斐も見出し、心臓外科医としての経験を重ねていく。

「自分が心臓血管外科医としてキャリアを積んでいく際に師と呼べる方が3名います。」

1人目が中部病院時代に当時の外科部長だった真栄城優夫先生。技術もさることながら、それ以上に「医療に対する基本姿勢とは何か。」という医療の根本的な考え方を身に付ける。
「実際やるのは難しいですが、すべてにおいて患者を第一に考えた医療を行う、断ったらいけない。」

2人目が現在の鹿児島医療センターでお世話になった有川和宏先生。心臓血管外科そのもののやり甲斐やおもしろさを感じ、鹿児島医療センターでは、当時から色々な手術を行っていたが、医師になって4年目の時にバイパス手術をやってみるかと聞かれ、バイパス手術を経験し、この時心臓血管外科の方向性を決めたという。

3人目が鹿児島大学の坂田隆造先生。優れた医師で、心臓血管外科医としてもっとも影響を受けた方だ。

己に課した使命との戦い 患者第一を貫く難しさ

仕事風景

「急患が来たときに、必ず受けるという強い姿勢を貫けるかどうか。これがまず医師としての難しさです。立て続けに急患がきて72時間眠らずに受け続けるということもめずらしくありません。」

その姿勢を学んだのが、沖縄県立中部病院時代。真栄城先生のもと、ベッドがあろうがなかろうが、100%受入れで、地域での最終病院として、絶対に断らない。医師もスタッフもこれが患者第一という、基本姿勢を貫く。

体力的にも精神的にも疲弊しきった、そのような過酷な状況の中であっても、「患者を救う。」という決断ができるのは、強い意思があってこそ。自分のところでしか救えない命がある、ということの矜持と、患者さんへの強い志が金城医師を動かす。

「周りのスタッフも疲弊していきます。休めない状況の中で不満や文句も出てきても、それをいかに抑えて患者さんを受け入れていくのかというのが、もう一つの難しさです。」

県立宮崎病院の赴任当時は心臓血管外科が循環器科や内科の病棟にあり、思うようなことができず、スタッフも外科意識ではなかったという。まず、若い看護師に協力してもらって、意識改革から始め、今では、院内で一番医師が働きやすい病棟になっていると金城医師は語る。「看護師が意識を持って、そうしてくれました。患者さんに対するひとつのケアにしても、例えば、気管吸引など看護師が上手に行ってくれます。赴任当初は、自分で一生懸命吸引していました。ICU同様に変わりました。」

心臓外科医としての生活
金城 玉洋 氏

鹿児島大学医学部附属病院に勤務していた時代から、師である坂田隆造氏のもと、手術に年間250~300件は入り、誰よりも手術件数が多かったという金城医師。

「正直、心臓血管外科は他と比べて本当にハードみたいです。僕自身はずっとこういう生活だったので特に苦にはならないのですが。」

と少し笑顔も見せる。土日でも対応できるように救急隊や医療機関からダイレクトに電話をもらえるように体制を整えているという。

「自分が生まれてきて、たまたま医師になって、ここに心臓血管外科医として、患者さんにメリットを与えられるポジションにいる。僕自身がこの仕事を全うすることは、この世に生を受けた自らの使命だと思っています。体力的にきつい事があるかもしれないが、それはほんの一時的なことであり、それ以上に自分が頑張れば、患者は一生のメリットを得るかもしれない。しかし自分が頑張らなければ患者は一生のデメリットを背負うかもしれない。」

患者第一という高い意識と、使命感、そして医師としての責任感の強さがうかがえる。

「使命を全うできなければ、メスを置かないといけないと思います。医師は、その使命を感じて医療に携わらなければならないと思っています。医師という職業は、単なる生活の糧でもないし、自分の生活の質を良くするとか、そんなのは医師になる資質ではない。患者さんの命に責任を負っているので、自分の一時の迷いや使命をおろそかにしないでほしい。すべては患者のため、という使命感を持って医療に携わってほしい。医療現場は、患者さんの命を救う場所なのです。」

今の日本の医療の現実として、救急医療は、その病院の性格によって大きく違いが出る。金城医師は、2次・3次の医療機関ともなれば、救急車と他病院からの受入れは当然のことであると考えている。

「この病院を頼りにしている患者の期待に対して、断るということなどあり得ない。」

金城医師は、今日も手術に立つ。

スタッフへの感謝
病棟スタッフ

病棟のスタッフにはいつも無理を言ってすみません(苦笑)と思っています。患者のことを一番に考えて行動してもらっていてありがたいと思っています。スタッフは順調に育ってくれています。

後身の指導については僕自身がどういう考え方でやっているかや仕事の管理の仕方、手術の仕方・内容も含めて半年から1年くらいである程度理解してもらい、その後、技術的なことを習得してもらっています。

僕自身結構素っ気ないので、スタッフへの感謝の気持ちはあるんですけど、本人たちに面と向かって伝えられていないかもしれません。こうした方がよい、ああした方がよいと小言は言ってますけど。それでも無理をして頑張ってくれているので本当に感謝しています。

最後に先生にとっての医療とは?

常に患者を第一に考える 県立宮崎病院 心臓血管外科医 医長 金城 玉洋

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