


中村 克巳
【専門分野】
ガンマナイフ、脳神経外科
鹿児島大学医学部卒業後、脳外科を標榜する病院が少なかった時代に、未踏分野を進みたいと脳神経外科の道へ。交通事故など救急の患者さんが大半で、寝食も忘れるほどの手術の日々。
医師としての原点は「誰かに何かをしてあげたい」という思いだけと語る。
医学博士 / 日本脳神経外科学会脳神外科認定医 / 日本てんかん学会評議員
藤元総合病院 副院長 / 卒後臨床研修プログラム責任者
木原 浩一
【専門分野】
循環器内科
長崎県出身。鹿児島大学医学部卒業後、即入局が一般的だった当時では珍しいアウトローとして、鹿児島医療生協で各科を2年間ローテート研修した。いろいろな病院での経験を研修医に伝えるべく研修プログラム責任者としての任に就く。PETを使った検査など心臓核医学のスペシャリスト。
医学博士 / 循環器研究室心臓核医学グループ / 日本内科学会認定内科医 / 日本循環器学会専門医 / 日本循環器学会九州支部評議員



中村:藤元総合病院では、これまでも協力型として10年ほど、鹿児島大学や宮崎大学などから年に2~3名の臨床研修医を受け入れてきました。現在、宮崎県内には6つの基幹型研修病院がありますが、都城市を中心とする南西部にはありません。地域一帯での研修医受入れが少ないことも医師の偏在・過疎化の一因になっているのではないかと感じていましたので、こちらでも十分な研修医の教育ができるという実績を作っていこうという思いで手を挙げました。国立都城病院と都城市郡医師会病院という大きな病院がありますので、当病院も含め3病院が協力すれば、かなり充実した研修体制が構築できると考えています。鹿児島との県境にあたりますので、実際の医療圏の人口としては37万人、これは宮崎市に匹敵する規模で、患者数も病床数も基幹型研修病院の条件を満たしています。
木原:研修医を受け入れることで、すでにこの病院で仕事をしている中堅以上の医師にとってもインスパイアされるきっかけになると思っています。もちろん、指導医として研修医を教え導くのが私達の使命なのですが、逆に私たち自身の資質も問われます。今までの経験を伝えつつ、新しいことも吸収して教えていかなくてはいけないという立場になりますので、これまで以上に研鑽を積まなければなりません。それが、最終的には、この地域における医療のニーズを満たしていくことに繋がるということも視野に入れ、研修病院としての実績を積んでいきたいと考えています。


中村:最新の医療機器が揃っており、PET、サイバーナイフ、ガンマナイフに関しては中央に引けを取らない設備と実績があります。地域一帯の病院同士で力を合わせて地域完結型の医療を実現せざるを得ない現状もありますので、検査や診断から入院・手術・術後ケア・退院まで一連の医療行為を経験でき、先進医療も学べながら過疎地域の地域医療の実情も知ることができる、これだけ全てを網羅している研修環境はないと思います。今後は地域完結型の医療が主流となり、先進医療も地域でできなければ住民の安心な生活に繋がらない、そんな医療の現場がここにはあり、研修医の先生方にとっても、今後、社会で求められる医療ニーズにマッチした臨床研修の場として、選択肢のひとつになればと考えています。

木原:医師として初めの一歩を踏み出すことになるのですが、最初の2週間は医師としてではなく、コメディカルスタッフの業務を担当するというプログラムを組んでいます。コメディカルスタッフから見た医療を体験してもらって、その司令塔になる医師としてどうあるべきかという視点を持ってほしいと思っています。もうひとつは、研修プログラムというよりは、入職時検診において、実際の患者さんと病棟の大部屋に入院する体験をしてもらおうと思っています。これは、患者さんの立場を理解するという視点を持ってもらうためですね。医師としてのスタートの前に、スタッフや患者さんの立場や思いを感じとるということを研修の特長にしています。
中村:救急は軽症から重症まで受け入れており、診療科もひととおり揃っていますので、医師としての基本的な診療は学べる環境があります。その上で、最新の医療に触れる機会もありますので、新しい技術も貪欲に吸収してほしいと思います。内視鏡手術室も広くなり、泌尿器科ではグリーンライトレーザーなど最新の医療機器も積極的に導入しています。人数的な余裕もあり、執刀医について助手として機材に触れる機会も多く与えられます。もちろん技術だけではなく、医師とは何かという医の倫理まで教えられる体制作りというのが、藤元総合病院が目指しているところです。


木原:指導医クラスが9名います。各診療科をローテートしていくことになるのですが、全体を統括するのは、院長と研修プログラム責任者の私が担い、各科では一定の水準のもと、その診療科のそれぞれの指導医の独自性に任せる形になります。また、リハビリの指導は、鹿児島大学病院・霧島リハビリテーションセンターの川平元教授のもとで最新のリハビリ療法(川平法)を学んだスタッフで構成されていて、これまでも毎年サマーセミナーを実施しているのですが、神経内科・神経外科・リハビリテーションの臨床研修プログラムの中で系統立てた研修を組んでいます。全国から理学療法士や作業療法士が集まるセンターが近くにあるというのは大きな利点でもありますし、この分野は生活や社会生活への復帰に欠かすことができないものでありますので、ぜひ学んで身につけてほしいと思います。
中村:常勤医が3分の1、宮崎大学から3分の1、鹿児島大学からも3分の1の派遣という構成にしています。医療というのは常に新しい技術がないと滞ってしまいますから、そのためにも若い研修医、それを教える指導医も、常に入れ替わりを意識しています。


木原:まずは患者さんとのコミュニケーションスキルをきちんと身につけてもらうことを求めます。患者さんに信頼されなければ、訴えも十分に聞けません。そのうえで、各診療科の幅広い経験を積んでもらう、その経験が患者さんへのインタビューに反映されるという、良い循環を作っていきたいです。最終的には入院患者さんをお家に帰すことになるわけですから、そのための医療の社会資源を扱えるような知識も身につけてほしいと思います。介護保険や福祉施設、他の病院との連携も考えた診療を行うために、地域医療のプログラムでは、実際に介護施設を運用している病院に行って具体的な連携部分まで学んでもらえればと考えています。

中村:都城の3つの病院の特性を生かした集約化を考える時期に来ているのかもしれません。地域住民への啓発や予防医療に取り組む国立病院、ER型の救急を担う医師会病院、先進医療と手術に特化した藤元総合病院など、同じ地域にあるからこそできる役割分担で、医師の絶対数が足りなくても、スタッフと施設を融通し合い、疲弊しないで、それぞれ高いレベルの医療活動が展開できれば、よりいっそう地域住民に充実した医療が提供できるのではないか、研修医の受け入れにしても、藤元総合病院だけでなく都城の3病院合同であたかもひとつの基幹型研修病院として研修環境を提供することが可能になればと想定しています。
木原:藤元総合病院には心臓核医学のPET検査と手術に携わる心臓血管外科がありますので、この分野においては実現できているのですが、やはり地域の患者さんとその家族にとっては、地元で手術が出来て、看病もできるというのが理想的なんです。3病院が互いに手を携えて、役割分担と医療資源の集約化を実現することによって、どの分野でも実現可能になるのでは、と考えています。地域医療のひとつの解決策として、地域ごとに拠点を設けて居住区で完結できる医療というのを目指しています。

診療科目:内科、総合内科、神経内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、物忘れ外来、外科、乳腺外科、脳神経外科、心臓血管外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、眼科、産婦人科、放射線科、放射線治療科、リハビリテーション科、在宅療養科、麻酔科
- 病床数:347床(一般293床、リハビリ50床、感染症4床)
- 医師数:67人
- 看護師:269人
- 理学療法士:20人
- 1日平均入院患者数:276人
- 1日平均外来患者数:628人
- 年間手術数:3388件(2012年実績)
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