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都城医療センター

プロフィール

独立行政法人 国立病院機構
都城医療センター 産婦人科 医長
古田 賢(ふるた けん)

宮崎西高等学校卒業。1999年、宮崎医科大学医学部卒業後、産婦人科に入局。池ノ上教授、鮫島教授に師事し、日本各地で周産期母子医療センターの立ち上げに携わる。2008年から2010年までアメリカのロマ・リンダ大学に留学し、低酸素刺激の基礎研究に参加。2016年より都城医療センターの産婦人科の医長として、宮崎県の周産期医療システムのさらなる敷衍(ふえん)に取り組んでいる。

【専門分野】日本産婦人科学会専門医、NCPR(新生児蘇生法普及事業)インストラクター

独立行政法人 国立病院機構
都城医療センター 産婦人科
古田 祐美(ふるた ゆみ)

宮崎西高等学校卒業、2009年香川大学医学部卒業。宮崎大学医学部附属病院にて臨床研修後、産婦人科に入局。2015年出産を機に医局を退職し、2016年に都城医療センターで復職。

【専門分野】日本産婦人科学会専門医

産婦人科を選んだ理由

私たちの時代は今のような研修制度は無くて、直接医局へ入局するのですが、やはり池ノ上先生や鮫島先生への憧れが大きかったですね。産婦人科は、基本的に内科の領域ではあるのですが、産科は帝王切開などの外科的処置もありますし、婦人科腫瘍の手術に特化した専門医を目指しても良いですし、特に宮崎大学は新生児医療に一生懸命取り組んでいて、入局してからも選べるステージがたくさんあり、医師としてあらゆることを経験したいと思っていた私には、幅広い活躍の場があることが魅力的に感じました。

宮崎の周産期医療の継承

研修医時代に宮崎大学で、上の先生方に厳しく教えてもらいながら難しい症例を経験できたからこそ、二次拠点の都城医療センターでも実践できているのだと思います。

産科医は、まず母体を守ることが求められます。オルソ(ALSO= Advanced Life Support in Obstetrics)という母体救命に関する研修・育成支援の団体に所属して、講習会で危機的状況を耐え抜くスキルを磨き、インストラクターの資格も取りました。今も、自分も学んでいくスタイルで、宮崎県の周産期医療を後輩たちに伝えています。

胎児を救うという面では、脳性麻痺などの脳症を起こさないポイントが3つあります。一つ目が妊娠中管理です。胎児の異常や母体合併症からハイリスク症例を抽出し十分に備える。二つ目が分娩中の観察です。母体と赤ちゃんがどういう状況か常に把握しておく。それから三つ目が、仮死で生まれた赤ちゃんを救い上げる新生児医療の分野です。周産期医療はその全てをカバーします。

特に22週から26週ぐらいの千グラム未満の超未熟児が生まれた時は、その場でなんとか対処して、とにかく大学につなげるまでは何とか頑張って死守する。医局全員がそのスキルをあまねく身につけることを目標に、気管挿管して人工呼吸をするとか、臍カテーテルで輸液するなど最低限の技術は持てるように、日々取り組んでいました。

医局で鍛えた中堅ドクターたちを関連施設に派遣することで、宮崎の二次医療圏地域の周産期医療体制を整えていったのですが、池ノ上先生のもとには日本各地からオファーがあり、宮崎に留まらず、宮城県立こども病院、船橋中央病院、徳之島宮上病院で周産期医療の立ち上げを医局員総出で行ってきました。現場のトップとして派遣されるので、とにかく懸命に取り組むだけですが、宮崎からは鮫島先生や児玉先生たちからのフォローを受けたり、時には派遣先に池ノ上先生が来ていただいたり、責任感と緊張感の中、医師として成長ができたのは、そのおかげだと思っています。

都城北諸県医療圏のセーフティネット

都城医療センターは二次施設ですので、地域の一次施設の医療機関と連携して、ハイリスク分娩は断らないという基本方針で搬送依頼を受け入れています。ここで難しい患者さんは、三次施設の宮崎大学に搬送しますが、総合周産期母子医療センターのメンバーもほとんど顔見知りで連携は万全です。

また、このエリアで、婦人科の手術や治療をシステマティックに提供できるのは当院だけで、周産期だけでなく婦人科医療の拠点として果たす役割も大きいと感じています。

昔は、赤ちゃんの予後を良くするためには、お母さんには少し我慢いただいて長めに入院してもらいましょうという雰囲気もあったのですが、時代の流れとして、核家族の上に共働きも増えていて、上の子を抱えているお母さんは入院できない状況がありますので、検査入院などはなるべく短い入院期間にするような管理に変わってきています。

年間500件の手術と、500件のハイリスク分娩に携わっていく中で、判断の難しさはありますが、患者さんの家庭環境の事情も上手に汲み取りながら、医療レベルを落とさずに安全な医療を提供していくのが私たちの役目です。

産婦人科の魅力

産婦人科の医局に入って1年目、当直をしていた夜中に、一次施設でお産を終えた患者さんの出血が止まらないと大学に救急要請がありました。連絡があった時点でほぼ意識がなく、それでも産婦人科と救急科と麻酔科で受入れ準備を整え、救急車で搬送されてきた時にはすでに心肺停止状態だったのですが、心臓マッサージを66分間続けて蘇生したことがありました。

夜中2時でしたが、産婦人科のほぼ全員が集結して、池ノ上先生も駆けつけてくださって、「とにかく諦めるな、心臓マッサージを止めるな」と。その長い心臓マッサージの間に、なんとか弛緩出血が原因であることを突き止めて救命できたのですが、産婦人科以外では、15分以上の心臓マッサージをするケースは少ないかもしれません。今後のご家族のことも考えると死なせるわけにはいかないという共通意識のもと、チームとして達成感を感じられる出来事でした。2日後には退院でき、ニコって笑いながら帰っていくのを見て、産婦人科は尊い仕事だなと思いました。

産科では、妊娠初期から数ヶ月検診まで、お母さんとお子さんの成長を見守ったり、2人目3人目のお子さんが生まれたりして、それぞれのご家族の歴史と未来に関われることが嬉しいですね。子宮がんなどの外科手術も執刀させていただき、「ずっと同じ先生に診てもらえて安心します。」と言っていただくのもありがたいです。

婦人科では、月経異常に悩む10代の子たちを診る機会も多く、私も学校の朝礼で貧血を起こして倒れる子供だったので、自分の経験を活かして、若い人たちの気持ちに寄り添うことができたり、その子たちの親御さんの年代に近づいていることもあって、子育ての悩みに共感したりと、親子の橋渡しができるのもやりがいの一つです。

辛いのは、やはり患者さんが亡くなった時です。自分が精いっぱいやって、患者さんも精いっぱいやったとしても、医師としてもっとなにかやれることがあったのではないかと思うと引きずりますし、その時の患者さんのことはいつまでも覚えているものです。

ワークライフバランス

7歳の小学生と4歳の双子がいて、国立病院機構の育児支援制度を使った時短勤務をしています。一定の時間を満たせば、どのようなシフトで働いても良いという勤務体系で、私の場合は、週に24時間の設定で、朝の8時半から15時半(1時間休憩)の6時間ずつ4日間の勤務を基本としています。当院で活用しているのは、まだ私だけなのですが、適用当初から、とても配慮していただき、急に子供が熱を出してお昼に帰るという場合は、別の日に3時間分働くというような時間の融通が利く制度です。

不在の間は先輩や同僚の先生方が外来を診てくださいますし、看護師さんやクラークさんたちの周りの支えもないと成り立たないものだとは思いますが、何より患者さんが受け入れてくださっているのがありがたいです。

最近は、患者さんにも、私が「子育て中で日によってはいないこともありますよ。」とあらかじめ伝えるようにしていますが、担当医が変わることに嫌な顔をする患者さんはいないです。逆に「先生も大変だよね。」と気遣いいただいて、優しい人が多くて助かっています。

キャリアの考え方

入局して2年目で結婚して、3年ほどフルタイムで働き、一人目の子を妊娠中に産婦人科専門医の資格を取得しました。そのあと出産で産休を取ることになったのですが、自分自身でも医師として成長している実感があったので、キャリアを止めることなく働きたいという思いはありました。

男性医師と同じように技術も磨き、外来の経験も積み、継続して患者さんも診たかったのですが、今振り返ると、男性医師では絶対に経験できない妊娠・出産をして、しかも2回目は双子でしたし、産休もしっかりとって、時短勤務で復職するという経験もできました。

復職してから、患者さんへの共感力が上がった気がしています。「先生も子どもいるんですか?」と患者さんの信頼を得ることもできて、患者さんと同じ立場でものを考えられるようになったので、産婦人科医としての伸び代も増えたと思っています。

今は時短勤務ということもあって、産科よりは婦人科の患者さんを診ることが多いのですが、将来的に取り組みたいのが、がん患者さんの緩和ケアや在宅ケアです。医療は必要としているものの、急性期病院には入院できずに、家族のもとに帰ることも難しい患者さんが増えています。今入院している患者さんも、病床数が減ることで退院を促され、病院で看取ることも難しい時代になりつつあります。

私も母の介護の経験から、緩和医療や在宅医療の必要性は身近に感じています。患者さん本人も家に帰るのが不安だし、家族も受け入れる自信がないし、どうしていいかわからない、という状況は何とか解消したいと思っています。あらためて緩和医療や在宅医療を一から勉強し直して、都城エリアでお役に立てるような医師になりたいですし、その仕組みづくりができれば、赤ちゃんからおばあちゃんまで女性の人生に寄り添えるような理想の医療が実現できるのかなと思っています。

産婦人科を目指す方へのメッセージ

古田 賢: 産婦人科は、お産のイメージが強いと思いますが、実際は、女性のヘルスケアのいろいろな面に携わることができます。
外科疾患なり内科疾患を併発した妊婦さんに対して、どのようにアプローチするか。母体を守ることにフォーカスしながら、胎児への影響をどれぐらい減らせるか。そこを考えるのが産婦人科ならではの醍醐味だと思います。

婦人科腫瘍も、開腹手術だけではなく腹腔鏡やロボットも導入されていくでしょうし、外陰部の形成手術なども含め、手技の面だけで見ても広い分野に渡ることを知ってもらいたいです。
「女性がよりよく生きるため」という視点で考えると、医療が力を発揮できる分野はたくさんあり、可能性が開けている診療科だと思うので、恐れることなく飛び込んで来てほしいですね。

古田 祐美: 医師は人生をサポートする仕事だと思います。自分が正しいと思えることを自分の手で遂行できるし、人に感謝もされる職業です。
特に女性の産婦人科医は、女性同士で人生に寄り添える本当に素敵な仕事だと思いますので、ぜひ目指してほしいし、後悔の無い医師人生を送れると思います。

女性医師だけでなく、男性医師にとってもやりがいのある仕事です。外科手術も意外と多いですし、救命救急の中でも周産期救急は特別だと思います。
なにより宮崎県の周産期医療システムには歴史があり、グローバルに通用するレベルですので、ぜひ産婦人科の世界に入ってきてほしいです。

公益社団法人 宮崎市郡医師会 宮崎市郡医師会病院

独立行政法人 国立病院機構
都城医療センター

所在地:〒885-0014 宮崎県都城市祝吉町5033-1
電話:0986-23-41110986-23-4111
URL:https://miyakonojo.hosp.go.jp/
診療科目:内科、循環器内科、呼吸器内科、呼吸器外科、外科、消化器内科、整形外科、リウマチ科、泌尿器科、皮膚科、産婦人科、小児科、耳鼻咽喉科、神経内科、放射線科、歯科・口腔外科、麻酔科

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都城医療センター

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診療科目:内科、循環器内科、呼吸器内科、呼吸器外科、外科、消化器内科、整形外科、リウマチ科、泌尿器科、皮膚科、産婦人科、小児科、耳鼻咽喉科、神経内科、放射線科、歯科・口腔外科、麻酔科

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宮崎県地域医療支援機構(事務局:宮崎県医療政策課)
〒880-8501 宮崎県宮崎市橘通東二丁目10番1号 TEL 0985-26-7451
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