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県立日南病院

プロフィール

県立日南病院 循環器内科 副医長
谷口 昂也(たにぐち こうや)

2015年宮崎大学医学部卒。県立日南病院での臨床研修後、宮崎大学医学部附属病院第一内科(現・内科学講座循環器・腎臓内科学分野循環器グループ)に入局、藤元中央病院での勤務を経て現職。日本内科学会認定内科医。

県立日南病院 小児科 副医長
落合 佳代(おちあい かよ)

2015年宮崎大学医学部卒。県立日南病院での臨床研修後、宮崎大学医学部附属病院小児科に入局。県立宮崎病院、国立病院機構都城医療センター、都城市郡医師会病院での勤務を経て現職。小児科専門医。

宮崎大学医学部の地域枠が拡充され、宮崎で医療の道への第一歩を踏み出す学生が、今後ますます増えていくことになります。今回は卒業生の二人に、地域で働く医師の日常をざっくばらんに語っていただきました。


医師を目指したきっかけは?

落合 小学生の時に耳の手術をしたのが、この日南病院なのですが、その時に治療してくださったのが女性医師で、その先生に憧れて、小学校五年生の時には、お医者さんになりたいって言っていました。受験のタイミングで、地域特別枠ができたのはラッキー(笑)でした。

谷口 僕も同じような理由で、子供の頃は小児喘息がひどくて救急搬送されることもあり、しょっちゅう病院に行っていたんです。だから最初は小児科医になりたいと思って医学部に進みました。


どんなキャンパスライフでしたか?

谷口 熱中していたのは部活ですね。卓球部でした。国試落ちないように勉強も頑張りましたけど。

落合 ラグビー部のマネージャーと管打楽器部を兼部していて、私も本当に部活ばっかりでした。あとは、みんなで飲んだり喋ったりですね(笑)。女子も多かったんですよ。

谷口 4割以上かな? 学年全員が一つのクラスなので、みんな仲良かったよね。地域枠の学生だけで集まることもあったけど、今は人それぞれですね。

落合 私は地域特別枠の1期生ということもあって、学生のころから地域医療志向でしたし、宮崎で研修したり働いたりすることに対して、特に抵抗感もなかったですね。


現在の専門領域を選んだ理由は?

落合 日南病院の臨床研修では、総合診療科や外科系も楽しそうで、最後まで悩んだんですけど、小児科で子供たちが元気になって帰る姿を見て、やっぱり良いなって思ったのと、日南病院でも大学病院でも小児科の先生たちがもう凄いんです。「子どもを救いたい」という思いで全員で協力したり、「小児科に入ったことを後悔したことはない」って、みなさんおっしゃるんですよ。

谷口 僕も臨床研修は日南病院で、小児科や救急科も魅力的でしたし、どの診療科も楽しかったんですけど、一番印象に残ったのが当直勤務です。県南地区の循環器系の患者さんは、ほとんど当院で診ることになっているのですが、夜中に胸が痛いって病院に来た人がいて、循環器の先生にコンサルトすると実は心筋梗塞で危なかったりとか、心臓が止まって救急搬送されてきた方でも、循環器の先生にかかると、2~3週間後には普通に歩いて帰れるまで回復したりとか。その体験があって、臨床研修後は宮崎大学の循環器内科(旧・第一内科)に入局しました。大学病院は、地域の中核病院の専門科でも悩むような難しい症例に対応するという役割ですので、それまでの救急搬送をどんどん受けて命を助けるという循環器科のイメージよりも、ゆっくり調べたり、もっと深く違う角度で心臓のことを考えたりするようになりました。もちろんまだペーペーでしたので、教授や上級医の先生方からフォローしてもらいながら、また、腎臓内科や消化器内科と一緒に患者さんを診ていたので、他の診療科の考え方や連携も学ぶことができ、大学病院での2年間もすごくありがたかったですね。

落合 私はほぼ1年毎に病院を移っていったので、それぞれの病院で扱う疾患に違いがあって良い体験になりました。大学病院では血液腫瘍とか重い難しい疾患が多いですが、逆に、県立病院では肺炎や喘息などのコモンディジーズが中心でした。都城医療センターでは、NICU(新生児集中治療室)も経験しましたし、都城市郡医師会病院では夜間救急がメインでしたね。


現在の仕事の醍醐味と将来の展望

谷口 循環器内科の魅力は、患者さんが劇的に良くなるっていうところですね。ただ、心臓の急性期疾患は、間に合わなかった、助からなかったという方もいらっしゃいます。ご家族の方からすると昨日まで元気だった人が急に倒れて、覚悟や準備ができないまま、お亡くなりになることもあるので、そのつらさが少しでもなくなるように心臓カテーテル検査、治療の腕は磨きたいと思います。それと合わせて、心不全や肺高血圧症などの慢性期疾患にも介入していきたいです。お薬でうまく加療できれば、頻繁に入院せずに家で過ごせる時間を増やせますし、本人はもちろん、ご家族も喜ばれます。肺高血圧症は、しっかり治療しないと予後が悪い病気ですし、宮崎にはまだあまり専門の先生がいないので、これから勉強していきたい分野ではあります。ずっと医師として働き続けることが目標でもあるので、外来で地域の患者さんと長く付き合っていくという医療にも魅力を感じています。

落合 小児科は、やっぱり子供がかわいいですね(笑)。あと、回復が早い。元気になって帰っていくのが何よりも嬉しいし、どんどん成長していく姿を見ていると希望を感じます。逆に幼くして亡くなってしまって、親御さんの悲しむ姿を見るのはやっぱりつらいです。もっと何かできたんじゃないかと、ずっと残りますね。だからこそ、助けたいって思いがより強くなります。一つの大きな目標は、日南病院で出会った小児科の先輩の先生です。子供たちやご家族のためにいつも一所懸命に治療に取り組まれる姿勢にも感動しましたし、診療だけでなく、院内で初めて虐待児に対応するためのチャイルドプロジェクトチームを立ち上げたり、学校や保育園の先生たちとの交流の場としてケアカフェを作ったり、システムや仕組みづくりの面でもエネルギッシュに活動されているんです。私もそういう医師になりたいと思っています。あとは、子どもも生んで、子育てもしながら、医師として長く働き続けたいなと思っています。


宮崎で働くことの魅力とは?

谷口 特に日南に来て感じることは、僕らの世代が現場に出て、活躍できる場があるってことですね。もちろん上の先生方がいて成り立っているんですけど、臨床研修時代を知っていただいているので、「戻ってきたね、お帰り」って歓迎されるし、信頼して任せてもらえているのかなと。あと、ご飯が美味しい(笑)。

落合 海がきれい(笑)。患者さんも優しいし、いろんなお話ができるので楽しいです。私は特に地元なので、周りに知り合いが増えれば増えるほど、医療も生活もやりやすい環境が築けていますね。

谷口 将来的に宮崎で働こうって考えているなら、宮崎大学に入って、宮崎で研修をして医師になるっていう地域枠・地域特別枠(※1)は、むしろアドバンテージだと思います。県内全域でいろんな先輩・後輩と関係性ができますし、患者さんとも長くお付き合いしながら、ずっと医師を続けていきたいと思っています。

※1 地域枠・地域特別枠とは:宮崎大学医学部に設けられた学校推薦型選抜入試で、地域枠・地域特別枠で入学した医学生は、将来、宮崎県の地域医療を支えていく、まさに「宮崎県民期待の星」である。


受験生へのアドバイス

受験生へのアドバイス

受験勉強は大変だと思いますが、入学してからも、医師になってからも勉強は続きますので、それを楽しむぐらいの気持ちで挑戦してみてください。宮崎大学医学部は、みんなで一緒に頑張るという雰囲気で、先生も優しいし、楽しい学生生活を送れると思うので、お勧めです。臨床研修・専門研修も含め、宮崎で医師として独り立ちできるまでキャリア形成のフォロー体制もしっかりしているので、安心して医学部を目指してください。


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