医師になろうと思ったきっかけを教えてください。
大きなきっかけは周りの環境です。
理学療法士、看護師の両親のもとに産まれ医療ドラマ(私の世代ではDrコトー診療所や医龍でしょうか)を見る機会は多かったように思いますが、その影響か、医療に携わる職業以外の選択肢は芽生えませんでした。
私は当初東京の工業大学にある医療工学研究チームへの所属を目指していましたが、受験への失敗をきっかけに再度将来を見つめなおす機会が与えられました。
その際、医師を目指して医学勉強に励む兄の姿に感化されて医師になる決断をしたように思います。
どのように診療科を選びましたか?
研修開始に先立ち先輩医師より「自分のメンターとなる医師を見つけることが大切です」とのアドバイスがありました。
何人もの先輩医師の方々と関わるうちに、入局に至るきっかけとなったメンター医師に出会いました。初期研修医1年目の秋には入局を決意、意思が揺らぐことなく2022年11月1日の登録開始日に即日登録しました。診療科選択の際に学問的な興味で選ぶのか、私のように人で選ぶのか考えはそれぞれあるかと思いますが、私自身はベストな選択ができたように感じております。
子育てとの両立は大変だと思いますが、働く上で心がけていることや、家族との関わり方について教えてください。
家族との時間を十分に確保することを重要視しています。医師界隈に限った話ではないと思いますが、ここ数年間で勤務医を取り囲む環境は大きく変わってきました。出産育児に関して、女性の育児休業はさることながら男性の育児休業も励行され始めており、私自身も出産時期から1か月ほど育児休業を取得しました。
子育てと仕事の両立は難しいと思いますし、特に緊急での呼び出しが少なくない職業のためある程度犠牲にしている面はあるかもしれません。また、妻も医師のため妻のキャリア形成も考える必要があり、子育てを妻に任せて私だけが突っ走らないよう話し合いをしながら適度なバランスを見計らうことを心がけようと思います。
宮崎県で働く魅力は、どのようなところだと思いますか?
宮崎県は人口が少ないこともあり医療施設も少ないです。
そのため、どの病院で勤務をすることになったとしても数人は多少なりとも関わったことのある医師がいます。患者さんの転院などに際して、大学時代の同期同士でやり取りを始めることもままあり、スムーズに事が運んでいくところは宮崎県で働くメリットだと感じております。加えて、宮崎県民は人柄が穏やかだと言われておりますが仕事をするうえでも感じることは少なくありません。狭い環境であることも相まって、Drコトー診療所のような患者さんとの距離の近い医療も宮崎県で働く魅力なのではないかと思います。
医師を目指して頑張っている方へメッセージをお願いします。
皆さん、医師を目指してくれてありがとうございます。
実家が医療関係だから、医療ドラマで見たかっこいい俳優にあこがれたからなど医師を目指す目的は十人十色だと思います。どのような理由であれ、きっと後悔のない充実した人生が待っていると思います。高校生は共通テストや日々の勉強を、医学生は各学年での試験に向けての勉強を、研修医の先生方は目の前の患者さんに対しての最大限の勉強を全力で楽しんでください。そしていつか、現場でお会いできる日を楽しみにしております。