医師になろうと思ったきっかけを教えてください。
小学生のときにテレビで医療ドラマをみて、手術をする姿に憧れて医師を目指しました。
今はあまりテレビで見る機会がありませんが、当時はドキュメンタリー番組で医師の仕事が取り上げられ、患者さんと話す医師の姿やモザイクがかかった術野でテキパキと手が動き手術が成功する場面をよく見ていました。大学に入学してからも外科医になりたいと思っていました。
小児科医を目指し始めたのは、大学4年生のときに実習で小児科を回ったときでした。
元々子どもと接することは好きでしたが、子どもが好きだからこそ子どもたちが病気と向き合う姿を間近に見ていく小児科医は自分にはできないと思っていました。
しかし実習で出会った子どもたちは生命力や笑顔に満ち溢れ、時に驚くほどの成長を見せ、自分自身も活力を得られる仕事だと思いました。
もちろん上手くいくことばかりではなく、ご家族や子どもたちにとってつらい決断を迫られることもありますが、医療者全員が子どもたちの未来や幸せを一番に考えて試行錯誤していくことは、その先の子どもたちにもつながっていく、とてもやりがいのある仕事ではないかと思うようになりました。
どのような時に地域枠で入学して良かったと感じますか?
大学では同期だけではなく、様々な学年の地域枠で集まることが多かったので人脈が広がったのが一番良かったと思います。
また同じ地域枠出身ということで、学外でも人脈が広がりました。
地域枠で知り合った方が様々な病院や様々な診療科に進まれたため、自分の専門外で迷ったときや気になることがあるときに気軽に相談できるのですごく助かっています。
また地域枠の先輩方の姿をみて、自身の将来の姿やプライベートとの両立など参考にしています。
現在の働き方や職場の雰囲気について教えてください。
現在は宮崎大学からの派遣で、都城市の都城市郡医師会病院に勤務しています。
目の前に霧島が見え、冬は山に雪が積もっているところも見えます。
当院は救急対応やかかりつけ医からの紹介がほとんどで、忙しい日もあれば時間が空いている日もあります。
夜は併設されている夜間急病センターでの勤務もあり、夜の勤務明けは午前中で帰宅しお休みなので、プライベートの時間も充実しています。
小児科医は3人で少ないですが話しやすく相談もしやすい環境で、日々の診療のフィードバックもすぐに行えるので学ぶことも多いです。
小児科ならではかと思いますが、診察室や病棟は季節に合わせて装飾を変え、とても明るい雰囲気です。
また他の診療科の先生方と一つの医局で過ごしているため、他の専門領域のことについても相談しやすいです。
医局には美味しいご飯やおやつが出現するので、カロリーは気にしつつもありがたく頂いています。
休日はどのように過ごされていますか?
休日はお酒に合う料理を作って晩酌したり、温泉に行ってサウナに入ったりしています。
普段は作れない、少し手間や時間のかかる料理を作って、少し早い時間からお酒と楽しんでいます。
都城は山に囲まれているため、青島など海が見えるサウナに行くのが好きです。
夜の勤務明けで平日がお休みのときは、平日にしか行けないランチを巡っています。
他の病院で勤務されている先生方や、都城の開業医の先生方とご飯に行くこともあります。
夏休みなど長いお休みのときは家族と旅行に行きます。
家族全員車の運転が好きなので、車での旅行が多いです。
以前には家族で交代しながら、青森県まで車で旅行に行きました。昨年伊勢神宮を参拝して御朱印帳を購入したので、各地の御朱印も集めていこうと思っています。
医師を目指して頑張っている方へメッセージをお願いします。
これから医師を目指すにあたり、勉学を頑張ることはもちろんだとは思いますが、様々な経験をしてほしいと思います。
私自身も未熟で多くの経験をしてきたわけではないので、一人の医師である前に一人の社会人、一人の人間として患者さんやご家族と接するときにとても悩むことが多いです。
患者さんには様々な考えを持った方がいて、その背景は自分たちには想像もつかないこともあります。
すべて自身で経験する、すべてを理解するということは難しいですが、まずは自分の視野を広げる必要があるということを知っていてほしいです。
また医師だけではなく、どの仕事にも言えることとは思いますが、大変で責任を伴い、自分がやりたいことだけが仕事として成り立つことはないと思います。
もしかしたら自分が思っていた仕事とは違うかもしれません。
それでも自分はこのために頑張りたい、と思える仕事を選んでください。
私は子どもたちの笑顔をみるために、子どもたちが元気に成長していく姿をみるために、子どもたちの長い未来のために、小児科医になることを選びました。